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やもめの献金(マルコ12:38-44、年間第32主日)

  • shibatakiyoshisj
  • 2021年11月6日
  • 読了時間: 3分

イエス様の眼差しには3種類の人たちがいます。お金持ちは懐を痛めずに献金をして、得意顔です。貧しい人たちを痛めつけて自分の地位を築いています。宗教家は、律法の網の目をめぐらします。守れる自分たちは「義人」、守れない人たちを「罪人」と差別します。

 そして、貧しい人たちです。孤児、やもめ、外国人(寄留者)、病人たちです。当時女性は、夫といれば生活は安定しますが、やもめになると収入を失ってしまいます。昔は、女性が働いて生活費を稼ぐことは難しかったので、貧しさから抜け出られませんでした。3種類の人々が集まるエルサレム神殿は、ヘロデ王によって修復されたばかりでした。豪華絢爛で、黄金と白い石、輝く壮大な神殿でした。

 イエス様は、神殿の賽銭箱にお金を入れる様子をじっと見ていました。金持ちたちは、今の日本なら一万円札をどんどん入れます。こうした人々に混じって、やもめがレプトン銅貨を2枚、200円を入れます。理性的に考えたら、もう神殿は出来上がっているし、やもめの献金は大した額ではありません。献金するより自分のために使った方が良かったかもしれません。それを承知でこの女は、献金します。彼女に目を留めて、イエス様は強い口調で弟子たちに言います。「この女が誰よりも多く入れた」



 さて、今日のやもめの献金のお話を、毎日の生活、差し向けるエネルギーに置き換えてみましょう。先週、皆さんはどんなことにエネルギーを割きましたか? 

 私の場合、朝の聖体賛美式(人数は10人くらい)で「とりなしの祈り」を紹介しました。告別式・納骨式では丁寧にご家族のお話を伺って、ご家族の思いを式に反映できるように心掛けました。典礼担当司祭として、11月からのミサの参加人数の調整、参加者が多いミサには聖体奉仕、「倉庫・香部屋が片付いてない」と聞けば「どうしたら整理できるか?」考えました。 珍しいこととしては(英神父さんと一緒に)区長さんと防災対策の話し合いました。対策に限りはありません。少しずつ、見えないところで準備していきます。そして、毎日3〜4回、地下の秘密のカブトムシ飼育場に幼虫の様子を見ています。

 でも、「これだ!」とアピールできる宣教活動はできていません。潤滑油というか、大きな教会を回すために時間を割いています。


 皆さんは、いかがでしょうか?「神様のため・教会のためにこれをしました!」と胸を張って言えることはあるでしょうか? もちろん、あったらそれに越したことはありません。周りの人から「あなたはこんなことできて素晴らしい!」と言われたら報いを感じるでしょう。でも、そういう言葉はまず聞けません。


 やもめの献金のメッセージは、こういうことだと思います。胸を張って言えなくても「神様は見ていてくださる」「神様は報いてくださる」そう信じること。そして地道にコツコツ、必要なことを積み重ねること。これが私たちの献金です。

 特別な才能があってポンと大きなことをするより、貧しい一人として奉仕する。そんな私たちをイエス様がご覧になって「誰よりも多く入れた」と言ってくださることを想像しましょう。


 貧しさに気づくと、気持ちが弱くなりがちです。でも、やもめのように貧しい私たちが神様の国を築いていく。そう心に留めて1週間を過ごしましょう。





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