新年後の「マジス」の中で、私はドラマ「コウノドリ」のことを書きました(投稿記事はこちら)。
「コウノドリ」は小さく生まれる、難しく生まれる赤ちゃんのためのNICU(NICUとはNeonatal Intensive Care Unit の略で、生まれたばかりの赤ちゃんのための)集中治療室です。NICUは、新生児科医だけでなく、産科医、小児科医、放射線科医、外科系の医師が赤ちゃんの集中治療を一緒にしてくれています。
2年前、知り合いの信者さんのお孫さん、お腹の中の赤ちゃんに、18トリソミーという染色体の異常があることがわかりました。心臓に複数箇所に問題があり、生きて生まれてくるか、わからない状態だったので、お祈りを頼まれました。幼稚園のマリア祭で結希ちゃんが生まれるようにみんなでお祈りしました。そして、マリア祭でお祈りした夜遅く、結希ちゃんが生まれた報告をもらい大喜びしました。けれども1週間後の連絡は「5日後に亡くなった」という悲しい報告でした。
「生まれたら、育つもの」と思っていました。赤ちゃんが亡くなったと聞いて強いショックを受けました。お婆ちゃまは「舞い降りた天使が喜びと悲しみを置いてあっという間に神様の元へかえっていってしまった。」と言われました。5日と言えば、園児さんにとって幼稚園に通う月〜金です。「1日1日を大切に」とよく言ってるけど、意味が違うことがわかりました。
結希ちゃんは神奈川こども医療センターで生まれました。ドラマ「コウノドリ」の舞台となった病院です。結希ちゃんのお父様とお母様は、医療センターに次のお手紙を書かれました。
結希がお腹の中にいる時から不安でいっぱいだった私たちを支えてくださり本当にありがとうございました。 生きて結希に会えたこと、抱っこできたこと、手形・足形を取れたこと、屋上で散歩できたこと。私たちに幸せで温かな時間を与えていただきました。 先生方やカウンセラーの方にも両親の気持ちに寄り添って毎回言葉をかけていただいたことに救われていました。看護師の方々も結希をとても可愛がってくれて、我が子を褒められるのがこんなに嬉しいことなんだと教えていただきました。 結希がこの病院で産まれ、生きていたことをすこしでも残せたらと思い細やかですが寄付させていただきます。何かのお役に立てたら結希も喜ぶと思います。本当にありがとうございました。
私は神奈川こども医療センターを調べました(「NICU 命の授業」豊島勝昭著 赤ちゃんとママ社)。 すると、結希ちゃんと同じ、18トリソミーという染色体異常の女の子のことが書かれていました。こはるちゃんです。「生まれても1週間くらいの命になるかもしれない」と聞かされます。生まれても次の難題が待ち受けます。
「少しでも長く生きる集中治療をするか?」
「親子での時間を優先するか?」
心が揺れ動いた状態で出産の日を迎えました。こはるちゃんは生まれた後、集中治療はせずに、ご家族で過ごす時間を大切にしました。お母さんは「生まれてきて、こはるちゃんの顔をみたら、一緒に過ごしたい気持ちが強くなりました。母乳をスポイトで飲ませたり、お風呂に入ったり、夜は3人で川の字のように並んで寝ました。その表情はとても可愛かったです。
そして、生まれて7日目の朝に、お父さんとお母さんに見守られながら、天に還りました。
このことを周りの人に伝えると「たった6日間の命」「早く忘れて、次の赤ちゃん産んだら」という言葉をかけられたりします。
でも、ご両親にとって「あの6日間はとても楽しいこともたくさんあって、決して忘れたくない、かけがえのない時間」でした。「娘のありのままの姿、生命力をみんなで見守った時間でした」
それから3年後、こはるちゃんの妹が生まれました。妹さんには、1日1日を後悔しないように生きるという意味を込めて「日々」という名前が付けられました。こはるちゃんと一緒に過ごした日々から気づいた大切なことを、お母さんとお父さんは、妹さんにも伝えたかったんだと思います。
産婦人科の先生は、結希ちゃん、こはるちゃんのご両親にこう言われていました。
「生まれてきたら一生分の愛情を注いでくださいね。赤ちゃんの1日は、私たちの何年分にもなる。短いけど密度の濃い人生を駆け抜け抜けることもあります。精一杯頑張ったことを褒めてあげてください」
産婦人科の先生、精一杯頑張った結希ちゃん・こはるちゃん、ご家族から学べるものがたくさんあります。そして、神様の思いも想像できます。
神様は、いちじくの実がならないからと、切り倒す方ではありません。
神様は、収穫にかかわらず、全力で私たちを愛してくださる。切り倒すことなど考えていないでしょう。猶予と忍耐、期待をかけてわたしたちを愛してくださっています。
「悔い改め」とは、その神様の愛を感じ直すことでしょう。神様の忍耐強い、深い愛を感じられる「悔い改め」を結希ちゃん、こはるちゃんから学びましょう。
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