福音朗読:ルカによる福音書16:10〜13
今日の福音は、「この世の富に忠実でなければ、大きなこと(神様のこと)にも忠実になれない」とあります。まず「この世の富」について、イエズス会に入る前の私の仕事(住宅営業)を例に考えました。
「住宅は、一生に一度の買い物・夢の買い物」と言われています。住宅にもマンションのように出来上がった住宅もあれば、注文住宅もあります。私の場合は、一から作り上げていく注文住宅でした。土地に合わせて、家族構成に合わせて、計画を進めます。もちろん、間取りや予算も大事ですが、一番大事なのは信頼関係です。お客様は「この人の話は信用できるか?」と様子を見ています。 そして、めでたく契約をいただいたとします。 実はここからが大切です。「釣った魚に餌はやらない」と言う言葉があります。親身になって最後まで関わる営業マンもいれば、売りっぱなしの営業マンもいます。
私の場合、気になることがあったら、休みの日でも現場に行って様子を見たり、「工事が順調に進んでいるか?」大工さんと話をしていました。そのような態度は、回り回ってお客様にも伝わります。「面倒見の良い、親切な営業の方に出会ってよかった」となります。
一方で、「自分の仕事は売ること。契約していてもらうまでが仕事」と割り切る営業マンもいます。手のひらを返すように、次のお客様の獲得に走ります。お客様も、ほっとかれてるようでだんだんと不安になります。トラブルが起きたら「こんな会社に頼むんじゃなかった」となります。
その差はなんでしょうか? 「お客様の期待に沿う、夢を叶えるのが仕事」と考えるか?
「利益を上げてお給料をたくさんいただくのが仕事」と考えるか? の違いでしょう。
では、「大きなこと(神様のこと)に忠実になる」とはどういうことでしょうか? 今の、住宅の仕事で置き換えて考えます。
「神様の期待に沿う・神様の夢を叶えることが仕事」と考えるか?
「お給料」を「周りの評価」と考えると、
「人から評価してもらうのが仕事」となります。「神様」がいなくなってしまいます。
神様が私たち一人一人に期待していることは、さまざまです。
今日は(昨日)は、イエズス会員の二人の司祭叙階式がありました。式がスムーズに進みように、だいぶ前から準備しました。受階者にとって一生に一度のことです。楽しく、お祝いの雰囲気になるように、心を配りました。もちろん、自分できることは限られているので、聖堂係の方、評議員の方にもお願いして、スムーズに進むようにお手伝いしました。
脚光を浴びるのは新司祭。お手伝いする方は「うまくいかなかったらどうしよう?」という不安があります。式が終わって、ほっとしても次の仕事、修道院長の仕事が待っています。
頑張っても「神様の夢を叶える」とまではいかない気がします。
でも「神様の期待に沿う」仕事は、頑張りたい。「神様の期待に沿う」仕事は、表に出ない地味な仕事が多いものです。でもそれをしっかりやらないと「売りっぱなしの営業マン」みたいになってしまいます。「たくさん評価をもらう仕事」をするようになっていきます。
新しい1週間、「神様の期待に沿う仕事」、プラスアルファ「神様の夢を叶える仕事」ができるように願いましょう。
Comments