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学校でのクリスマスミサ

カトリック系の学校で中高生のためにクリスマスミサを捧げました。 クリスマスミサでのお説教です。

 

8月を英語でオーガストと言いますが、「オーガストは皇帝アウグストゥスから来ている」と言われています。アウグストゥスは、当時絶大な権力を誇っていた皇帝で、税金集めのために、住民登録を課します。その中に、イエスの父、ヨセフも含まれていました。「宿屋には彼らの泊まる場所がなかった。」イエスは泊まるところがなく馬小屋で生まれます。

それだけでなく、生まれてすぐ、イエスはヘロデ王から命を狙われてエジプトに逃げます。


子どもと家庭のクリスマスミサの後、サンタさんが子どもたちにプレゼント
子どもと家庭のクリスマスミサの後、サンタさんが子どもたちにプレゼント

クリスマスと言えば、サンタさんがプレゼントを持ってきてくれて、パーティができる楽しい時、と思うかもしれません。でも、今年は、イエス様が生まれた状況を考えてみましょう。イエスの母マリアと父ヨセフのことを考えてみましょう。


まず、マリア様、受胎告知の場面です。ガブリエルのお告げにマリア様は「何のことかと考え込んだ」(新共同訳)と反応します。「考え込んだ」と訳されているのは原文のギリシア語で「ディエタラクティエ」という動詞です。強い動揺を意味する言葉です。「どうしてそのようなことがありましょうか?」というマリア様の言葉からも、ガブリエルのお告げにマリア様が強いショックを受けていることがわかります。この「ディエタラクティエ」は、ヘロデ王にも使われています。東の国からやってきた博士たちから、「新しい王が生まれる」と聞かされた時、「ヘロデは不安を抱いた」と訳されているのが「ディエタラクティエ」です。不安を抱いた、動揺したヘロデ王は、イエスを殺しにかかります。ベツレヘムとその周辺一帯の2歳以下の男の子を皆殺しにしてしまいます。マリア様にとっても、ヘロデ王にとってもイエス様の誕生は人生がひっくり返る大きな出来事でした。でも受け止め方は真逆でした。


ヨセフにしても、イエス様の誕生は人生がひっくり返る体験でした。幸せの絶頂、結婚前に、マリアが身籠ったことを知ります。当時の掟からしたら「自分の子ではない」公にしたら、マリアは石を投げられて殺されてしまいます。それを避けようと、ヨセフが密かに別れようとしますが、天使のお告げで思いとどまって、マリアを妻に受け入れます。でも、皇帝アウグストゥスの住民登録の命令で、祖先の町、べトレヘムに移動させられます。やっとイエスが生まれると、「ヘロデ王が幼児の命を狙っている」と夢で聞かされ、すぐに起きてエジプトに逃げます。 間一髪で、幼児イエスを守ります。父親として、妻マリアと幼児イエスを守るためにヨセフは必死でした。言葉が通じないエジプトで大工の仕事をもらうのも大変だったでしょう。でも、マリアと心を合わせて、イエスを守り育てました。

では、このような家族は特別でしょうか?


6月に中学1年生の修養会で平和学習をしました。修養会の最後はミサでしたが、お捧げしたお祈りからご紹介します。


不安と悲しみを胸に、今を必死に生きているウクライナの方々に、救いの手が差し伸べられますように。また、祖国のために全力を尽くして戦っている兵士たちをお守りください。
神様、ウクライナでは、何の罪のない、一般の方々まで亡くなれています。ウクライナを守ろうと必死に戦っている人々、恐怖に怯えている人たちがたくさんおられます。どうか一刻も早く、救われますように。
家を離れ、異国の地に移った方々はとても不安な気持ちでいらっしゃると思います。神様、苦しい思いをしている方々を1日でも早く解放してください。
平和の中で暮らす、私たちに祈らせてください。幸せな人が、苦しんでいる人を見捨てて、置いていく、そんな世の中ではなく、世界の皆が、互いの平和のために、祈れる日が、いつか訪れますように。
毎日、ウクライナの人々が苦しんでいます。その中でも私たちは笑って平和な毎日を家族と過ごせています。そのことに感謝し、一日1日を大切に暮らすことができますように。
ウクライナについて知り、私たちも自分でできることを考え、行動できますように。

修養会から3ヶ月経った、先生からの報告をいただきました。

9月の学園祭が久しぶりの対面で行われ、料理部では、夏休みの間に様々な国の料理に1人一品ずつ、国ごとに挑戦しました。レシピとともに出来上がった料理を写真で展示しました。その中で、中1生は、難民の祖国の料理に挑戦しました。時節柄、ウクライナ料理のボルシチやドラニキ、ワレニ、シルニキなどを作りました。学園祭当日には多くのお客様に熱心にご覧いただきました。難民支援の募金を呼びかけたところ、二日間で8,000円余りが集まりました。 

平和へのお祈りから具体的な行動に発展しました。


2022年夏にお譲りしたカブトムシ
今年のカブトムシ

私はというと、難民募金のためのカブトムシを200匹飼っています。四ッ谷の地下で幼虫を飼っています。見たい方、育てたい方は、声をかけてください。お譲りします。立派な成虫になって欲しい、と、学園の小学校の先生が栄養満点のカブトムシ飼育マットを2回も送って下さいました。


まとめです。皇帝アウグストゥス、ヘロデ王は、権力で弱い人たちを支配していました。

一方、貧しく生まれる、幼児イエスに権力はありません。逆に無力で小さい。

でも、赤ちゃんのイエス様の目はキラキラしていました。希望で光り輝いていいました。無限の可能性が感じられました。


学園の生徒さんも同じ。お祈りにあった様に、優しい心で光り輝いています。無限の可能性があります。


皆さんそれぞれに平和について考えて、家族の大切さを考える一年だったでしょう。


学園の生徒さん、先生方の心の中にある、平和への願い、家族の大切さが、今年いただくクリスマスの恵みです。

クリスマス、おめでとうございます。どうかクリスマスの恵みを大切に育ててください。


子どもと家庭のクリスマスミサ




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