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キリストの聖体 マルコ14:12〜16 , 22〜26

 モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」という曲、皆さん聞いたことがあると思います。

 この曲は、前の主任司祭、佐々木神父さんの告別式でも流された曲のようです。聴いてみましょう。(参考動画 Wolfgang Amadeus Mozart - Ave Verum Corpus


 歌詞はこのようなものです。(訳 国本静三神父)


ああ、おとめマリアよりお生まれになったまことの聖体よ。

まことにあなたは人類のために十字架で苦難を受け、いけにえとなられました。

あなたの脇腹は刺しぬかれ、水と血が流れました。

死を迎える試練の前にどうか 聖体を私たちに味合わせてください。

おお、甘美なイエスよ。おお、いつくしみ深いイエスよ。おお、マリアの子イエスよ。


 メロディだけでも素晴らしいですが、聖体への賛美の曲だとわかるとさらに素晴らしく感じられると思います。私が前に赴任していた徳山教会でも告別式でオルガニストがよく弾いてくれました。

 神様の愛が聖体に詰まっていること、その愛を受けた故人への追悼の思いが曲の中で混ざります。佐々木神父さんは、私に幼稚園のモンテッソーリ教育を勧めてくれました。司祭の働きに、幼稚園を加えてくれた恩人です。この曲を聞くと、「ああ、佐々木神父さん、もういないんだぁ。もっと教えて欲しかったなぁ。」という気持ちになります。


 簡単にイエス様が聖体を制定された時のことを振り返ります。ルカ福音書では「苦しみを受ける前に、あなた方と共にこの過越しの食事をしたいと、わたしは切に望んでいた。」(ルカ22:15)とあります。イエスは、仲間たちとよく食事をしましたが、いつも御客様の立場でした。でも、最後の晩餐だけはイエス様ご自身で弟子たちにもてなしました。 「苦しみを受ける前に」の言葉で分かるように、イエス様は自分の受難と死を覚悟しています。「決死の覚悟」で食事をもてなします。もてなした食事で、ご自分のいのちを弟子たちにお与えになります。パンとぶどう酒に託して、ご自分の愛を弟子たちに分け与えます。それから数時間したら、イエス様は十字架にかけられて殺されてしまいます。切羽詰まったギリギリの時に、愛の結晶を残してくださいます。だから、ご聖体をイエス様の「愛の形見」と呼んでいます。イエス様の人生がご聖体に詰まっています。


 ある方は、亡くなられる直前に、ご家族と一緒に聖体をいただけたそうです。ずっと聖体をいただき続けて、これから神の国に旅立つ、その時にも聖体をいただけました。死を迎える試練の前に、聖体を家族と味わうことができました。聖体は、地上と天の国をつないでくれます。私たちを天の国に運んでくれます。


 愛の形見として、聖体を残してくださったイエス様。

 私たちを臨終の時まで養ってくださるイエス様。

 ご聖体を通して、信仰と希望の糧を与えてくださるイエス様。

 アヴェ・ヴェルム・コルプスを聴いた時の気持ちで拝領しましょう。

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