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年間第15主日 マルコ6 弟子の派遣

 今日は、実体験の話を2つします。1つ目、私は月に2回のペースで成分献血をしています。人助けと健康管理のためですが、先日も、新宿へ献血に行きました。すると問診の時、女医さんからいろいろ質問されました。

「いいところにお住まいですね」 初めて言われる言葉ですが「確かにそうだな」と思って

「はい、教会の仕事をしています。イエズス会の神父です。」と答えました。すると、「イエズス会はスペイン系ですね?」と聞かれます。かなり教会のこと知ってる人だな、と思いましたが「はい、イグナチオとフランシスコ・サビエルもスペイン人でした」と答えました。「ワクチン接種(7月7日)受けておられるけど、職域接種ですか?」と聞かれます。「熱心な信者さん(SJハウスの受付の羅さん)が予約してくれました。」と答えました。「130回も献血に来られてるので、信者さんが良いお食事作ってくださってるんですね。」と言われました。

 彼女の記憶に残ったのは、「(たまたまですが)神父さんはいいところに住んでる。熱心な信者さんが神父さんを助けて健康なんだ」ということでしょう。献血ルームという思わぬところで、「教会の宣伝になったなぁ」と感じました。イエス様から、派遣されて献血に行ったような気持ちになりました。私たちは、いろいろなところで、代表として派遣されます。

 もう一つ、実例をお話しします。イエズス会に入る前、私は住宅会社の営業マンをしていました。自分は会社を代表している、自分の印象で、会社が決まるつもりでいました。あるお客様の間取り(プラン)の打合せに伺いました。すると奥様が「昨日(私にとっては水曜日はお休みの日)は何をされてましたか?」と聞かれました。本当のことを答えようか、どうしようか迷いましたが「身障者の方のお風呂の介助のボランティアをしていました。」と答えました。一瞬驚かれましたが、「実は、一緒に住む予定の家族に、車椅子の弟がいるんです。」と言われました。「えっ?」とこちらも思いました。続けて奥様は、「介助の苦労がわかっていて、そういうボランティアでしている営業の方と出会えるとは思っていませんでした。」と言われました。心配していた弟さんのことで、打合せがスムーズに進んだので、喜ばれました。奥様は「他の会社の方は、自分の会社の売り込みばかりされるんですが、柴田さんは役に立つことをどんどん提案してくださって嬉しかった」と言われました。ボランティアをしてることは、いろいろなところで生かせるなぁ、と感じた出来事でした。


 聖書の話に入ります。イエス様が弟子たちを派遣するときに大切なポイントは2つです。 

1つ目は「ものに頼らないで、信仰に頼りなさい。」ということです。私たちは、職場や家庭(あるいは講座)に派遣されていますが、不安もあって色々と準備をします。でも、準備のバックボーンに、神様への信仰が欠かせません。「神様からの派遣で私は出かけて行きます。だから、必要な助けをどうかお与えください」という信仰が大切です。

2つ目は、「上手くいかなったり、悪意に取られてしまっても、織り込み済み」という強さを持つことです。イエス様の言葉や行いに好感を持たなかったり、露骨に反対してくる人たちもいました。だから、イエス様からの派遣では、同じことが起こる覚悟が必要です。「上手くはいかないかもしれない。でも、がっかりはしない」という心算が大切です。


 献血の話に戻りますが、問診の終わりに「心のお世話を頑張ってください」と言われました。私たちがしようとしていることは、イエス様の派遣であると同時に、社会からも期待されていることです。 実現する力を神様に願いましょう。身近なところでも、イエス様からの派遣というつもりで1週間を過ごしましょう。


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