ヨハネによる福音 10:11〜18
羊にとって「羊飼いの声」を聴けることが大切でした。夜、オオカミなどの外敵から身を守るために、命をかけてくれる羊飼いでないと安心できないからです。
聖書の中では、律法に縛られたファリサイ派の声についていくのか? 命に代えても弱い人を守るイエスさまの声についていくのか? 選択を迫っています。
それでは、「羊飼いの声」を聞くにはどうしたらいいでしょうか? 日常生活にはさまざまな声、心の動きがあって、どれが良い羊飼いの声なのか判別が難しいでしょう。そこで、今日はヒントになる話をします。
イエズス会の創設者、イグナチオは黙想の手引書『霊操』(#335)の中で、「声」を「天使」と言い換えて表現しています。
「善の天使は、優しく、軽く、柔らかく、しずくが海綿に入るようその霊魂に触れる。 そして悪天使は、鋭く、騒がしく、不安を起こし、しずくが石の上に落ちるように触れる。」
とあります。少し簡単にすると、善天使は、落ち着きと平和を与えます。悪天使は、不安やけたたましさに導きます。
もう少し噛み砕いた説明を「目からうろこ キリスト者同志の人間関係」からします。(来住英俊著 女子パウロ 2006年 800円+税)
私たちの心は、色々な出来事に揺れ動きます。悪霊から来ている兆候としては、
自分さえ我慢したらいい、とか、自分の努力にかかっている、と思い込んでいる。神様の存在がなくなっている。
周囲の人の同情や理解を求める気持ちが強い。賛同者を得ようとする。
他人について、勝手に悪い想像をして暗くなってしまう。相手が実際に言ってもいないことを想像の中で言わせて、それでさらに腹を立て反撃のようなことをしてしまう。
悪霊は、想像力を悪用することが多いです。
一方、善霊から来ている兆候としては、
神様が支えてくださっている感覚がある。
一人で穏やかに立っていられる感覚がある。
出来事を憶測を挟まずに素直に受け取れる。
悪い方へ想像が勝手に走らない。
「窓が開いて、風が抜けている」ような感覚がある。
この悪霊と善霊の違いは今の心の中を点検に役立っています。最近「どうしてこんなに仕事が多いの?」「自分の責任なの?」と不満が多くもたげて物事を悪く受け取っていました。それが、神様を中心に考えて、神様に感謝したり、人に感謝した方がいい、という気持ちになりました。
先週の献血もその1つです。「窓が開いて、風が抜けている」ような感覚がありました。
目標の献血者50人を8人上回ることができました。日赤の担当者のお話では初めてでこれだけの申し込み者が集まるのは珍しいそうです。75人の申し込み者のうちベトナム共同体から45人でした。日本人からも予約なしで空き状況を見て協力いただいた皆さんのおかげで上積みができました。英語圏からはアフリカからの方も含めて多国籍の方がご協力いただきました。皆さんのご協力は病気の方の手術、治療に役立てられます。 献血の呼びかけのきっかけとなったリハビリ中の桜井神父さんへの励ましにもなります。
私たちの心の中には、さまざまな動きがあります。それらが悪霊からなのか? 善霊からなのか? 見分けるのは難しいですが、挑戦すると打開する糸口が見つかります。良い羊飼いの声を聞けるよう願ってミサを続けましょう。
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