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年間第19主日 「恐れても」子どもを守るソフィア

「恐れても」子どもを守るソフィア「キャロル・オブ・ザ・ベル」から

福音朗読:マタイによる福音14・22-33

 

このミサは、ミャンマーの子どもたちのためにお捧げしています。

2つのお話をします。

福音の動詞から

最初は、福音の1つの動詞からです。

原文のギリシア語ではタラッソーという「強く動揺した時に使う」動詞です。

新約で使われている箇所の説明です。


1つ目、祭司ザカリアに主の天使が現れた場面です。(ルカ1:12)「不安になり」と訳されているのがタラッソーです。ザカリアは、天使の言葉、妻、エリザべトが神の恵みによって男の子を産むことが信じられませんでした。

2つ目、ヘロデ王が占星術の学者から「新しい王が生まれる」と聞かされて「不安を抱いた」と訳されている箇所です(マタイ2:3)。ヘロデ王は、神様の計画をつぶそうとしてベツレヘム周辺の2歳以下の男の子を皆殺しにします。

3つ目が、今日の朗読箇所です。弟子たちは、イエス様が湖の上を歩いているのを見て「幽霊だ」と怯え、恐怖のあまり叫び声を上げた(マタイ14:26)と訳されています。


3つとも同じ動詞ですが、反応の仕方も、後にとった行動も違います。

ヘロデ王のように「拒むのか?」

ザカリア、弟子たちのように「信じきれないか?」

私たちも、思いもよらない出来事に「強く動揺して」「恐怖」を感じて、それぞれが行動します。 

映画「キャロル・オブ・ザ・ベル」から

2つ目のお話です。「強く動揺して」「恐怖」を感じた時に、どのように行動するのか?

今、上映されている映画の「キャロル・オブ・ザ・ベル」の予告編をご覧いただきます。


映画「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩」

1939年1月、 現ウクライナ、イバノ フランコ フスク(当時はポーランドのスタニスワヴフ)にあるユダヤ人が所有1つの建物に、ウクライナ人とポーランド人の家族が引越してきます。その後、第2次大戦が始まって、ウクライナは、ソ連による侵攻、ナチス・ドイツによる侵攻、さらにソ連によって占領されます。

ウクライナ人の娘ヤロ スラワは歌の先生 母ソフィアの影響で歌が得意です。特にウクライナの民謡「シェド リック」=「キャロル・オブ・ザ・ベル」(ホームアローンで有名になった曲ですが、元はウクライナの民謡です。)を歌うと「みんなにいいことが訪れる」と信じて、大事な場面で披露します。 しかし、戦争が進み、ポーランド人とユダヤ人の両親は迫害によって捕まってしまいます。ソフィアは、残された娘二人を「自分の子」と偽って必死に守ります。



「誰の子だ?」「私のです」 誰か一人を助けることは家族全員を危険に晒すことになります。

2022年のロシア軍によるウクライナ侵攻による厳しい状況でも、子供を守る、強く優しい家族の姿を連想させます。

「ただ、怖いの」 「何を教えた?」「ウクライナの民謡を」

歌は、ウクライナ人のアイデンティテー、自分の文化を愛する信念です。ソフィアは「恐怖を抱えながら、子どもたちに歌を教え、希望を持たせます」

ウクライナ人としての尊厳を生きる子どもたちの、純粋で美しい歌声が私たちの心に染みます。

映画の中では「ウクライナなど存在しない」というソ連兵の台詞もあります。「キャロル・オブ・ザ・ベル」は「ウクライナ人が存在しているよ」と世界中に叫んでいる歌になっています。

ウクライナ人の誇りを呼び覚ます曲として、今注目されています。

未来を生きる子どもたちの平穏な毎日を奪う権利は誰にもありません。

このミサは、ミャンマーの子どもたちのために捧げていますが、ウクライナと重なるでしょう。

「私たちには何ができるのでしょう?」 今日の献金もその1つです。ミャンマーの避難民の子供の教育のために使われます。

私はといえば、難民支援のカブトムシ募金が32万円になりました。ご協力をありがとうございました。

送金先の難民支援協会さんからのお礼の言葉です


「連日30人の難民の方々が相談にいらしています。夏休みで海外からの観光客もたいへん多く、急場を凌ぐ宿泊先のホテルもひっ迫しています。そのうえ値段も高騰しています。この時期のご支援は、特に大変ありがたいです。

今、世界で「恐れ」を感じている人たちがいます。恐れの中で、ソフィアのように危険を顧みないで「自分の子供の子」と、かくまう人もいます。歌を教えて、未来に希望を持たせている人もいます。 

緊迫した方に共感する心を持ちながら、自分にできることを果たしながら、平和旬間を過ごしましょう。


マリア様から見た主聖堂

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