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待降節第1主日

福音朗読:ルカによる福音 21:25〜28、34〜36


 

待降節は、苦しみから解放してくれる救い主の誕生を待ち望む時です。新しい心で救い主の誕生を待ち望んで待降節に入りましょう。


待降節第1主日の今日、第1朗読の方が救い主の誕生を予感させてくれます。

エレミヤは紀元前6世紀に活躍した預言者です。

「ダビデの子孫から生まれる王「若枝」が救いをもたらす」と書いています。

「若枝=メシア(救い主)」を意味します。ですので「救い主」が直接イエス様のことを指しているという考えと、そこまで明確とは言えない、という考えがあります。いずれにしても長く苦しい外国からの支配からの解放を待ち望んでいました。 


2024年12月1日 待降節第1主日ミサ 説教台の柴田神父

福音書は、過越祭が近づき、イエスを殺そうとする人々の計画が練られている頃の箇所が朗読されました。ですので、待降節としては理解しにくいところです。「終末にはどのような徴があるか?」という神殿にいた人々からの質問にイエス様が答えています。イエス様は、エルサレムの滅亡と世の終わりを予告しています。すべての人に突然襲いかかる終わりに日が来る。その日に備えて「いつも目を覚ましていなさい」と命じます。「滅亡の日」と「解放の時」が同時に語られています。この「解放の時」は、キリストの十字架による贖いです。「ご自分の血という代価で、罪を赦す」「贖いの業」を意味しています。

待降節の文脈では理解しにくいところがあります。


そこで新しい命をどのように待ち望むのか? 「短くても精一杯生きた赤ちゃん」から考えました。

周産期医療を題材にしたドラマ「コウノドリ」で今橋先生を演じた豊島 勝先生が『NICU命の授業』という本を書かれています。


お母さんのお腹の中の“こはるちゃん”は18トリソミーという染色体異常です。家に帰れず亡くなってしまうかもしれない赤ちゃんでした。

生まれても1週間くらいの命になるかもしれない。お母さんはものすごくショックを受けて涙が止まりませんでした。少しでも長く生きる集中治療をするか? 家族で過ごす時間を優先するか?迷った心で出産の日を迎えました。無事産まれた、こはるちゃんの顔を見て、家族で一緒に過ごすことに決めました。母乳をスポイトで飲ませたり、お風呂に入ったり、夜は3人で川の字のように並んで寝ました。その表情はとても可愛かった。

そして生まれて7日目の朝に、お父さんとお母さんに見守られながら、天に還りました。

このことを伝えると「たった6日間の命」「早く忘れて、次の赤ちゃん産んだら」という言葉をかけられたりします。でも、ご両親にとって「あの6日間はとても楽しいこともたくさんあって、決して忘れたくない、かけがえのない時間」でした。「娘のありのままの姿、生命力をみんなで見守った時間でした」


2024年12月1日 待降節第1主日ミサ

ここからは私の想像ですが・・・ご両親は、こはるちゃんを天に見送ってから、深い悲しみに襲われたり、小さい子を見ると「生きていたら“こはる”もこれくらいになっていたろうに」そんな思いになったこともあるのでしょう? 悲しみ・苦しみを抱えながら新しい命を待ち侘びます。

それから3年、こはるちゃんの妹が生まれました。妹さんには、1日1日を後悔しないように生きるという意味を込めて「日々」という名前が付けられました。こはるちゃんと一緒に過ごした日々から気づいた大切なことを、お母さんとお父さんは、妹さんにも伝えたかったんだと思います。


こはるちゃんの6日間の命、3年後の「日々」ちゃんの誕生は、長く苦しい外国からの支配からの解放を待ち望んだイスラエルの人々と重なるように思います。

今の私たちに当てはめたら、日々を神様に感謝して生きること、今苦しくても新しい命・新しい恵みを待ち望むこと。その2つが考えられます。

短くても精一杯生きたこはるちゃん、それから3年 待望の日々ちゃんの誕生。 待降節、神様からの恵みを新しい心で日々受け止め直す。そして新しい命・恵みを待ちわびる。そのような心で過ごしていきましょう。


参考:「NICU命の授業: 小さな命を守る最前線の現場から」(豊島勝昭、赤ちゃんとママ社、2020年)




日本赤十字社さんの献血会が行われました。 72名の方にご参加いただきました。ご協力ありがとうございました!

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