top of page

待降節第4主日 聖劇から

更新日:2023年12月24日

福音朗読:ルカによる福音1:26〜38

 

イグナチオ教会に赴任する前、山口でモンテッソーリ幼稚園の園長をしていたときの喜びは年長児による聖劇でした。毎年、同じセリフですが、ものすごい緊張感が漂い、ゾクゾクしました。実際に見ていただくのが一番ですが、今日は動画の音声でご紹介します。


(10分20秒〜12分26秒)

YouTubeにアップされている幼稚園なので、私が園長をしていた幼稚園ではありません。


マリア:神様、こうしてお祈りできることに感謝します。
ガブリエル:マリア、マリア、おめでとう。あなたはとても恵まれた方、神様はあなたと共におられます。
マリア:あなたはいったいどなたでしょう? 
ガブリエル:私は神様の使い、大天使ガブリエルです。あなたは大きなお恵みをいただいたのです。神様はあなたを救い主のお母様にお選びになりました。やがてあなたは一人の男の子を産むでしょう。その子に、イエスという名前をつけなさい。
マリア:どうしてそのようなことがあるのでしょうか? 私はまだ結婚していないのです。
ガブリエル:神様にできないことは何1つないのです。
オペレッタ(歌)
ガブリエル:おめでとう マリア様、幸せな方、あなたはもうすぐお母さん、神様の大事なひとりご 生まれるでしょう。
マリア:ありがとう ガブリエル 神のみ使い 私は嬉しいお母さん 神様のお言葉通りに なりますように。

伴奏と歌が合ってないところがありますが、一生懸命さが伝わってきますね。私がゾクゾク感じる理由を説明します。


新共同訳では

「マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかを考え込んだ。」

と訳されていますが、「戸惑い」と訳されているのは原文のギリシア語ではディエタラクティエという動詞です。とても強い動揺を示す言葉です。同じ動詞が使われているのはヘロデ王が新しい王様が生まれると聞いた時にも使われています。

「この知らせを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた」

と訳されていますが、深く動揺しています。狼狽えたヘロデはベツレヘムとその周辺一帯の2歳以下の男の子を皆殺しにしてしまいます。神様の計画を抹殺しようとします。


「神様の子が生まれる」ことは、マリア様にとってもヘロデ王にとっても、同じくらい動揺する、人生がひっくり返る驚くべきことでした。そして、二人の反応は両極端でした。


主聖堂の聖家族像。イエス様のご降誕を待つ。

「どうしてそのようなことが・・・」戸惑い、不安を感じたマリア様。しかし、しばらくの間を置いて「お言葉通りになりますように」と神様の計画を受け入れます。この言葉は原文のギリシア語では希求法で書かれていて「是非そうなりますように」と訳せます。決して、嫌々受け入れるのではありません。マリア様は動揺しましたが、喜んで神様の計画を受け入れました。マリア様のこの態度が新しい救いの世界を開きます。お告げの場面は人類の救いの幕開けです。神様の救いが始まる、ゾクゾクした雰囲気を子どもたちが演じてくれます。毎年、ゾクゾク感を味わってきました。皆様にも動画を見たり、黙想し直して、このゾクゾク感を味わっていただければと思います。


次は、このお告げの場面が私にどのように影響したのかご紹介します。

12年、ノルマノルマの会社で働き、司祭を志した時です。当時もう34歳、今更修道会に入ることなどできるだろうか?司祭養成のために10年もかかる。現実的じゃない、やめておいた方がいい、躊躇する気持ちがもたげます。新しい生き方に踏み出す希望より、不安が強くなることの方が多かったです。 それでも決心できたのは、南山教会のレジオ・マリエの集会で唱えていた「わたしは主のはしため、おことばのとおりになりますように。」マリア様の態度でした。

マリア様は、「いいなづけのヨセフがどう思うか?」「姦通の罪で石ごろしになるかもしれない?」身に降りかかる困難を忘れて、喜んで神の救いの協力者になりました。 後先のことを考えていません。自分にできることは何でも「主のはしため」として受け入れる覚悟を決めます。私も、この態度を倣いたいと願いました。


私たちも、マリア様の態度に倣いましょう。 マリア様が神様の計画を受け入れてくださったからイエス様がお生まれになります。クリスマスをお祝いできます。 「わたしは主のはしため、おことばのとおりになりますように。」 他人事ではなくて、自分にも神様の計画が実現するよう願いましょう。 マリア様によって実現した、降誕祭、新しい救いの始まりをお祝いしましょう。


昨日は教会学校の子どもと家庭のクリスマスミサでした(2023年12月23日)
昨日は子どもと家庭のクリスマスミサでした

閲覧数:92回0件のコメント

最新記事

すべて表示

聖金曜日

bottom of page