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年間第7主日

ルカによる福音 6:27〜38


 

霊操講座のテキストにしている カルロ・マリア・マルティーニ枢機卿はこう言われています。


「自分が実践できていることを説教で話せ、と言われたら数ヶ月で話せることがなくなってしまう。でも司祭として、できているかどうかに関わらず、希望のメッセージを語らなくてはならない。」

「自分ができていることだけ説教で話しなさい」と言われたら、無言になってしまいます。

そこで、自分のことではなくて、ご葬儀を司式させていただいたお母様のお話を紹介します。

娘さんのお話です。


よく世間では、声色変えて「あの人はね・・・」と陰口、悪口を言うことがある。

でも、父と母にはこの感覚がなかった。人を批判する感覚がない。人を羨む感覚もない。「自分にはあれがない。これがない。」という感覚もない。私たち姉妹は両親の笑顔、あたたかさに包まれていた。自分自身に余計な先入観を持たずに済んだ。大人になって、父母がしていたことがすごいことだと思う。


娘さんはお二人いらっしゃいましたが、お一人は脳の出血で倒れて意識が戻らず、50代で、お子さん5人を残して亡くなりました。それから旦那様は、奥様の生き方を振り返ります。


「亡くなった妻の生きる指針が何から来るものか? 知りたくて教会に通うようになった。そして「悪口を言う者に祝福を祈りなさい」の言葉に出逢いました。妻は母から受け継いだ言葉を実践していました。妻も「悪口を言う者に祝福を祈っていた」。妻の生き方が腑に落ちた。だから洗礼を受けることを決めました。


イエス様の言葉を静かに実践している人がおられる。生き方を通してイエス様が伝わり洗礼を受ける。そのことを目の当たりにしました。

私たちが人知れず、心掛けていることが、人に伝わって、信仰に導かれることが確かにあります。


主聖堂の裏手

一方で、「悪」に「悪」を返す例もあります。

プーチン大統領は幼少期に義理の父から虐待を受けて、やむなく武術を学んだ。力で対抗し、相手を押さえつけることを学んでいった。 もしプーチン大統領が育った環境が違っていたら、世界は違っていたかもしれない。一つの家庭の不和が世界に大きな影響を与えています。強い悪は支配力があり、社会が暗くさせられてしまいます。


私の場合、「あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい」です。

自分の父を思い浮かべると、天の父のことを想像できます。

父は「華やかな席には誰でも集まる。病気だったり苦しい時に訪問しなさい。」と教えてくれました。恵まれた父に育てられました。


私たちは、先ほどの家族のように、良い影響を与えるように招かれています。

今日の福音の中で、1つ、心に響く箇所を探してみましょう。

「悪口を言う者に祝福を祈っていた」 先ほどのご両親のように、地道に歩んでいきましょう。


13年後に向けてタイムカプセルのメッセージ募集中

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