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復活節第5主日

福音朗読:ヨハネ14:1〜12

 

2023年5月7日 復活節第5主日 お説教の様子

復活節も後半になり、2週間後には「主の昇天」になります。「わたしが父のもとに行く」復活されたイエス様が天の父のもとへ帰っていく、弟子たちから去って行くことを意味するのでしょう。今日は、天に昇られるイエス様と、この世での人生を終えて天に旅立つ方との関わりで考えます。


去って行かれる寂しさは、大切なご家族が亡くなる時に実感します。「もう自分は生きてはいけない」と喪失感で打ちひしがれる方もおられます。マグダラのマリアもそうだったでしょう。 彼女もそうでしたが、天に昇られたイエス様との新しい絆を築くには時間がかかりました。けれどもやがて「去って行かれることが、失うだけではないこと」に気づいていきます。


イエス様は、去って行かれる前に2つのことをなさいました。1つ目は、天の国で居場所を用意されます。「わたしの父の家には住むところがたくさんある。もしなければ、あなたのために場所を用意する。場所を用意したら、戻ってきて、あなたをわたしのもとに迎える」 天の国での居場所。 ある方は、モンテッソーリ子どもの家を30年近く、切り盛りされていました。 寝ても覚めても子どもたちのことを考えていました。病院の近くに保育園があると、その子どもたちに折り紙を作られるほどでした。だから神様は「子どもたちがよく見える特等席を用意してくださるでしょう。 イエス様は、天に旅立つ方に合わせた居場所を用意してくださる。 天に旅立つご本人にとっても、残されるご家族にとっても、どんなに心強い言葉でしょう。だから、私たちは父なる神様に大切な方を委ねることができます。


2023年5月7日 雨の中庭

2つ目、聖霊を送ってくださいます。イエス様は「わたしは父のもとへ行くが、もっと大きな業を行えるように」と聖霊を送ります。聖霊が送られるおかげで、弟子たち、また私たちがイエス様の業を受け継いでいきます。独り立ちしていきます。殉教も恐れず勇敢に宣教していきます。


「手に職をつけなさい」「子育てしながらでも教えられる音楽を学びなさい」と親に教えられた娘さん。 親の言葉を受けた娘さんは、生活の糧を得る目的を超えて、本物を目指していきます。留学して本場から学ぶ。「親はそこまでしなくても」という思いが沸いたかもしれません。でも、応援し続けます。あくまで本物を求めていきます。ほどほどのものではなく真理を求めていきます。学んだ音楽は、言葉と宗教を超えて、人の心に直接響いていきます。 親の言葉は「わたしは父のもとへ行くが、もっと大きな業を行えるように」と聖霊を注ぐイエス様と重なります。


信仰を持った私たちは、根無草のようにうつろうのではありません。居場所を用意し、聖霊を送ってくださる神様に守られ、導かれます。


イエス様にしても、大切な家族にしても、去って行かれるのは寂しいことです。でも、独り立ちできるように残してくれたものがあります。天の国と地上と別れても、新しい絆が築かれていく。神様は、計らってくださる。そう信じられることが、私たちの強みだと思います。


その強みを自分たちのものにするだけでなく、広めていく。ほどほどのものではなくて、音楽の世界なら人の心に響かせていく。そんな独り立ちした私たちになっていきましょう。



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