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年間第18主日 聖イグナチオの祝日(ヨハネ6:24-35、原理と基礎)

導入


 今日お祝いしているイグナチオは「人間が造られたのは、神を敬い賛美し、仕えるためであり、こうすることで、自分の霊魂を救うためである」(原理と基礎 霊操#23)と教えてくれました。この言葉に沿って生きられるよう願いましょう。


説教


 ドイツの女性神学者のドロテー.ゼレは言います。

 「人はパンのみによって生きるのではない。それどころか、人はパンのみによって生きることによって死んでいる」(D・ゼレ『内面への旅』新教出版社,11p)


 戦争で大怪我を負う前のイグナチオもそうでした。武勲を立ててお気に入りの妃から目にとまるのを夢見る野心的な青年でした。けれども、怪我をして、ベッドで数ヶ月過ごす羽目に陥ります。自分は“パン”、つまり“名誉を得るため”に働いた。でも、今、失敗して、いわばベッドで死んでいる。イグナチオは「人生どう生きるか?」真剣に考え始めます。聖人伝を読んだり、イエス様の生涯の本を繰り返し読みます。そして、出てきた答えが“原理と基礎”つまり「人間が造られたのは、神を敬い賛美し、仕えるためであり、こうすることで、自分の霊魂を救うためである」でした。 自分のこと(名誉)は脇に置いて、神様を中心にする。神様に感謝して、賛美する。そして、神と人に仕える。そうする事で自分の霊魂を救う。つまり、満足できる生き方になる、と確信しました。


 “原理と基礎”を知って、生き方を変えた人が世界中にたくさんいます。私もその一人です。

 20年ちょっと前までは、営業成績のために生きてきました。会社の業績グラフで一番になることを目指してました。確かに、得られたものはたくさんあります。お客様から契約してもらえるためにどうしたらいいか? 考えました。契約していただいたら満足してもらうために、努力しました。自分の息子このように大事に思ってくれる方とも出会いました。

 でも「定年までこの仕事をして満足できるのか?」疑問が湧いてきました。「他に生き方がないのか?」司祭の召し出しを考えた時に出会ったのが、英神父さんでした。上石神井での夏の霊操に参加します。その時に、“原理と基礎”に出会います。「人間が造られたのは、神を敬い賛美し、仕えるためであり、こうすることで、自分の霊魂を救うためである」 こんな発想は営業マンの私にはありませんでした。「業績を重ねたら幸せが待っている」と漠然と思ってました。でも「パンを得よう(業績を上げよう)と頑張って死んでいる」状態でした。“原理と基礎”で生きる目的を見つけられました。そうは言うものの、躊躇もするし、家族は反対します。会社も引き留めます。それでも、神様に人生を賭けようと言う気持ちで、一歩を踏み出しました。あれから、20数年経って、イグナチオ教会で、英神父さんと働いています。きっかけは“原理と基礎”でした。


 私たちは「永遠の命のパンが欲しいのです。何をしたらいいでしょう?」と探しています。ヒントは、“原理と基礎”にあります。今日、神様に感謝して賛美する。今日、神様と人々に仕える。その積み重ねで自分の霊魂は救われます。考え事をしていても、前には進まないでしょう。今日、具体的に、賛美し、仕える。シンプルになって何か始めて救いに与れます。


東日本大震災の後、被災地のために何かしたい、とカブトムシを捕まえました。10年経って、今年は山口から四ツ谷に幼虫を連れてきました。立派な成虫になって、教会のお友達にもらわれていきました。卵も生まれました。カブトムシを飼うのは、難しいことではありません。でも、続けるのは簡単ではありません。これまでに3000匹を飼い続けるうちに、いろいろなところで感動や喜びが生まれました。実りがありました。来年のため、次の世代につながりました。


 今日、神様に感謝して賛美する。今日、神様と人々に仕える。イグナチオの祝日に私たちができる最高のプレゼントです。実行してイグナチオを喜ばせましょう。

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