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弟子の条件とカブトムシ難民募金

年間第23主日

聖書箇所:ルカによる福音書 14:25~33

 

今日は2つのお話をします。1つ目は、イエス様の弟子になる条件について、私自身の召し出しから分かち合います。2つ目は「被造物を大切にする」取り組み、カブトムシ難民募金についてお話しします。


柴田神父の召し出し

カトリック麹町 聖イグナチオ教会 無人の主聖堂

最初に、私の召し出しの話です。

イエズス会に入ることを考えていた時です。信者ではない家族に司祭になることをどう説明したらいいか? いろいろ考えて、「この路を」(今は「仕えるために」とタイトルが変わっていますが)という司祭叙階式に配られるパンフレットを母に渡しました。その中に、今日の朗読にある弟子の条件の箇所がありました。


「もし誰かがわたしのもとに来るとしても、父、母、妻、子供、兄弟、姉妹を、更に自分の命であろうとも、これを憎まないなら、わたしの弟子ではありえない。


この中の「憎まないなら」という言葉で母の表情がこわばります。「一生懸命育てた親を憎むように勧める宗教とは何事か!」という怒りが湧いていました。翻訳の問題もあったと思いますが、逆効果でした。父からは、「家族を持ち、会社で揉まれながら信仰を持つことの方が立派。」と言われました。この言葉はまさにそうです。今、ご家庭と仕事、信仰生活を両立されている方。お父様、お母様は本当にすごいと思います。

両親の言葉から、「家族の反対に耳を貸さない自分は、冷たい人間かもしれない」という思いも湧いてきました。


当時の私は、自分自身も、半信半疑です。司祭がどんなものなのかもわかっていなし、なれる保証もありません。私の場合、家族を引き裂く、先が見えない、ないなど・・・厳しい状況でした。弟子として、イエス様についていけるか? 試されていました。

しかし、あとから思えば、見通しも立っていたら、甘く考えていたかもしれません。また、家族が簡単に認めていたら、世間一般の感覚から離れていたかもしれません。

結局大事だったのは、神様に賭ける思いの強さでした。自分を投げ出す思い切り、倒れるなら後ろではなくて前に倒れる、そんな意気込みだったと思います。自分が持っているものを計算するのではなく、全部差し出すこと。 そんな生き方に巡り会えたらとても幸せなことでしょう。 

皆様も、いろいろな場面で試されながら、イエス様の弟子になっていきましょう。


「被造物を大切にする」取り組み

2022年夏に、柴田神父様のところから旅立っていったカブトムシ(メス)
12代目のカブトムシ。

2つ目は「被造物を大切にする」取り組みのご紹介です。

「人間以外の被造物」と言えば、ペットや、お花などの自然の生き物、月や星、海や山などの大自然を思い浮かべるでしょう。私が大切にしている「被造物」と言えば、カブトムシ。難民支援のカブトムシです。カブトムシの飼育は2011年の東日本大震災の被災地支援から始まりました。今年で12世代目です。カンガス神父さんが今おられる山口から始まって、昨年から岐部ホールの地下で育てるようになりました。


今年は、新しい喜びがありました。昨年お譲りしたカブトムシのオス・メスのつがいから卵が生まれ、教会学校のお友達が成虫になるまで一年大事に育ててくれたことです。教会学校の親子は成虫を8つがいも私のところに届けてくれました。 他にも、土曜学校のお友だち、生花グループの方、聖堂係の方からも成虫をいただきました。生き物を一年、お世話するのは大変なことです。大事に育てた成虫を、「次のお友だちのために分けてあげたい」 素敵な「命の分かち合い」だと思います。


これまでカブトムシは、「私が育てて、お分けするもの」と思っていましたが、今年は違いました。みんなで育てる喜びを感じました。私が育てたカブトに加え、お父さんと一緒に育てたカブト、ご夫婦で育てたカブトムシが合わさって、40つがいがもらわれていきました。


最近、観直した『シンドラーのリスト』の終わりにこのような素晴らしいやりとりがあります。

オスカー・シンドラー 「1つの生命(いのち)を救う者が世界を救える」「もっと救い出せた」 会計士のイザック シュターン 「オスカー、あなたはここの1,100人を救ったんです」 「彼らから新しい世代が育ちます」 オスカー「もっと大勢を救えた」「車を売れば10人を救えたはずだ。10人だぞ」 「このバッジ金のバッジで2人救えた。いやたとえ一人でもいい。1人救えた。人間1人だぞ。努力すればもう1人救えたのに・・・しなかった (シンドラーとイザック シュターンは抱き合ってお互いの思いを伝えます。)

カブトムシ献金は、小さな取り組みです。命を育みながら難民を支援する取り組みです。小さな応援を今年もできました。献金は20万円になり、難民支援協会さんに送金しました。(認定NPO法人 難民支援協会 https://www.refugee.or.jp


「来年はもっと神父さんに成虫を届けたい」と思っている教会学校のお友だちがいます。とても嬉しいです。昨日も幼虫を40匹持ってきてくださいました。大きなカブトムシになるには幼虫の時に質の良いカブトムシ飼育マットを食べることが必要です。こちらのご寄付をいただけると嬉しいです。

一人一人が「被造物を大切にする」取り組みを見つけて実践していきましょう。


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