福音朗読:マタイによる福音11:25-30
「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。」というイエス様の言葉は、「神様は素晴らしい 私はとっても嬉しい!」と同じだと思います。
「最近、とっても嬉しいことありましたか?」神父さんにはありました。そのお話です。
実は、神父さんはいつもお仕事に忙しくてなかなか嬉しいことはありません。たくさんお仕事があって・・・嬉しかったというよりも、失敗しないで良かったほっとする感じ。でも、休んでもいられません。また次のお仕事が待ってます。「失敗しないようにまた頑張らなきゃ!」の繰り返しです。
そんな神父さんが好きで頑張ってるのはカブトムシです。
そのカブトムシも難民という困っている人のためです。ウクライナの戦争がまだ続いてるけど、難民は自分の国で戦争があって住めなくなって別の国に逃げる人たちです。日本にも毎年、逃げて来ています。日本に着いてから住む場所が無かったり、食べるものがなったり、言葉がわからなかったり、そんな寂しい思いをしている難民を助けたい。そのために今年も200匹地下で育ててきました。
でも、地下はひんやり。温度が低いからなかなか成虫になりません。6月にはある小学校の「イエス様のみこころの祝日」のミサを頼まれました。すると理科の先生から「カブトムシをください」とお願いされました。カブトムシを連れて行きたいけどまだサナギ。それを聞いた教会学校の女の子が「私のをどうぞ」と持ってきてくれました。でも、こんな気持ちだったことを聞きました。
一年かけて大事に大事に育てて来たカブトムシ。お友達に喜んでもらいたい、でもやっぱり寂しい。 お友達に譲るカブトムシを選ぶとき涙がこぼれました。女の子の他にも、成虫のカブトムシを「どうぞ!」と連れて来てくれた家族もいます。車でお父さんとお母さんも一緒に車で届けてくれました。神父さんより、ずっと詳しくてびっくりしました。他にも、大人の人が2回も届けてくれました。そして、この前の日曜日に、オスメス30つがい分けました。
でも、困ったことが起きました。教会でカブトムシが欲しいお友達には行き渡ってしまいました。神父さんが育てたカブトムシがどうなるか? 不安です。地下では毎日10匹くらい成虫になって嬉しいはずなのに不安です。元気なカブトムシがどんどん出て来てるのに、もらってくれる人が見つからなかったらどうしよう?
心配を教会の評議員の人に相談しました。評議員の皆さんは、教会のために一生懸命考えて働いてくださる方たちです。そして評議員の方が「オスメス、30つがい欲しい」学校を見つけてくれました。他にも「11匹ください」という学校も現れました。神父さんが1年かけて育てた難民支援のカブトムシも行き先が決まりました。
「カブトムシどうなるの?」と不安だった神父さんが喜ぶ神父さんに変わりました。「神様は素晴らしい! 神父さんはとっても嬉しい!」
神父さんは思いました。「初めからうまくいく」とわかってる時よりも「大丈夫かなぁ?」と不安だったときの方が嬉しいことがわかりました。神父さんが育てたカブトムシは「どうなるかなぁ?」と心配になったけど、小学校のお友達にも難民支援のカブトムシが広がりました。カブトムシを育てて、難民のお友達を助ける、優しい心が広がっていく。こんな素敵なことは想像していませんでした。去年よりもっと嬉しい気持ちになりました。
教会のお友達が嬉しくなるのは、自分がこっそり喜ぶんじゃなくて、みんなに広がっていく喜びです。周りの人に喜びを分けていく嬉しさです。 「神様は素晴らしい、私も嬉しい!」 そんな素直な心、神様の子どもの心で毎日を過ごしましょう。
このミサは新しい侍者のお友だちの祝福式です。侍者は神様の食卓に一番近いところで集まったみなさんに代わってイエス様にお仕えします。だから「心配で心臓が飛び出ちゃうくらいドキドキする」お友達もいると思います。心配するのは大事です。神父さんもカブトムシで「心配だった。でも嬉しくなった!」心配するのは「一生懸命頑張るからです」。自信がなくても大丈夫です。
「イエス様は素晴らしい、私も嬉しい!」そんな気持ちになれるように侍者で頑張りましょう。大人の皆さんも暖かく応援してください。
ワールドユースデーに参加するみなさんも、「イエス様は素晴らしい、私たちも嬉しい!」そんな体験をたくさんされてください。お土産話を楽しみに待っています。
ミサ中に侍者祝福式・更新式とワールドユースデー派遣祝福式が行われました!
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